子供の行動が遅い!『早く!』とせかさず、ゆったり付き合う方法とは!?
初めての子供を出産した12年前、私は、育児に関してたったひとつ、「これだけは!」と決めたことがあります。
それは、「子供を急かさない」ということ。子供は大人からみると、ひとつひとつの行動が遅く、つい「早く早く!」「ほら、急いで!」と口走ってしまうことがありますよね。
しかし、そう言ってしまう大人たちの多くが、「言わなければよかった」「もっとゆったりと育てれば良かった」と後悔するのも事実です。
今回は、私が、子供のペースに合わせるために日頃から意識してきたこと、また、ゆったりと行動する子供に合わせることのメリットについてお話したいと思います。
私がそう考えるようになった理由
結婚前、図書館で働いていた私は、毎週土曜日に20人前後の子供達を集め、図書館イベントの一環として、絵本の読み聞かせ&工作の会を行っていました。
集まってくれるのは、3歳~小学校低学年の子供達。特に3歳くらいという年齢では、工作をスムーズに作り上げることが、まだまだ難しい年齢でした。
私は、強制することなく、急かして手伝うのでもなく、子供達の自由に作らせてあげるようにと意識していました。工作の完成度よりも、来てくれる、そして楽しんでくれることを目的としていたのです。
「幼い子供達にとって難しかったかな」と感じれば、次回の工作をどのようなものにするのかを考える、それが私の仕事だとも思っていました。
その時に、一緒に仕事をしていた、私よりずっとずっと年上の女性の方に言われたのです。
「子育てでひとつだけ、失敗したなぁと後悔していることがあるの。それは、子供に『早く!早く!』と言いすぎてしまったこと。
だから、この工作会に携わって、本当に思うのよ。いつか子育てをするようになったら(私が)、子供を急かさないで、今のようなペースで子育てするといいと思うわ!」と。
当時は結婚のことなど全く考えていない私でしたが、その言葉がずっと胸にあり、今現在の子育てに至るのです。
『子供の行動は遅い』と心得ておく
実際に子育てが始まり、私が常に心得ているのは、『子供の行動は遅い』ということ。
それを、大人のペースに合わせようとすればするほど、子供にとっては大きな負担になりますし、親にとってもイライラの原因になると思うのです。
例えば、2歳の子供が「自分で靴を履く!」と言うことは多々ありますよね。「自分で!」と言うときには、子供にやらせてあげるのが基本です。たとえ、それが10分、15分と長い時間かかることでも、予め心得て置けば、笑顔で対処することができるのです。
靴を履いて出かける日には、家を出る時間に余裕を持つようにする。出先で外食する日には、用事を先に済ませて、食後に急ぎの予定を入れない。人と約束をするときは、遅れる可能性が高いことを相手に伝えておく。
このように、子供のペースに合わせることを考えて、親自身の行動に余裕を持たせるよう意識したのです。
子供の行動をじっくり見つめる
子供の行動は、意味もなく遅いのではありません。特に、「自分で!」と言うことの多い2~3歳の子供には、「自分でやりたい!」という意欲があるからこその言動です。
幼い子供がゆったりのんびりと歩くとき、子供の目線を見ると、細かい部分までよく見ていることがわかります。道端にいる虫や、小さな花。店先で風に揺られている旗や、店頭のポスター、ガラスに映る自分の姿。色々な物に興味が行くから遅いのです。
おもちゃの片づけに時間のかかる子は、ていねいに片付けしているのかもしれません。のんびり着替えている子は、「あー行きたくないな。」なんて思っていることもあるかもしれませんね。
そのように、子供の行動の裏側には、何かしらの意味があると思えば、“遅い行動”に対する親の見方が変わるのではないでしょうか。
色々なものを見て、感じて、考えて行動するからこそ時間がかかる、そう捉えるようにすれば、「早く!急いで!」と言うのは、非常に勿体ないと思いませんか?
そこにはたくさんの宝物が…
大人である私たちは、今、目の前にあることを済ませることに、一生懸命になってしまいがちではないでしょうか。
「あれも終わらせなくちゃ、これもしなくちゃ」と、特に子育て中は、日常生活をこなすことに精一杯ですよね。
でも、日常の中には、そんな大人達が、普段なら見落としてしまっていることが、たくさんあるのです。その部分に、いつも目を向けているのが子供です。
子供のペースに合わせ、一緒になってゆっくり行動することで、その見落としている『宝物』を、たくさん見つけることができるのかもしれません。
後になっては取り戻せない、子供との貴重な時間。日常の忙しさから少し目を離しても、今の時間を楽しく有意義なものにしていきたいですね。
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