返事のできる子供にしつけたい!秘訣は「・・・」にあり?
躾の三大原則、躾の三要素など、言い方に違いはありますが、『子供の躾』において、次の3つを徹底することが最も大切だと言われています。
・人より先に『挨拶』のできる子に
・はっきり『返事』のできる子に
・脱いだ履物を揃えられる子に
この中で、今回は『返事』をテーマに取り上げ、考えてみたいと思います。
人に呼ばれたり、何かを尋ねられたりすると、返事をするのが当たり前。
そう考えるのは、親だけかもしれません。年齢に関わらず、「返事をせず、無視をする…」そう悩む方が多いようです。
そう感じたら、まずは自分自身の言動を振り返ってみると、意外なところに解決策があるかもしれません。まずは、毎日の生活を見直すことから、始めてみましょう!
子供の思考回路はどこを向いている?
子供の名前を呼んでも、遊びに夢中で返事をしないことがありますね。
我が家の娘は既に小学校高学年になっていますが、現在も、テレビに夢中だったり、宿題をしていたり…という、何かに夢中である状況下では、一度で返事をしません。
年齢に関係なく、子供が返事をしない場合の多くが、“何かに夢中になっているから”ではないでしょうか。それは、決して、無視をしているわけではないのです。
しつこく、大きな声で名前を呼ぶと、怒りながら「もう!うるさい!」なんて言われることもあるでしょう。
たとえママの声が耳に入っていても、思考回路はママの方を向いていない、だから返事ができないことが多いのです。
そのようなときは、ちょっと間を置いてみてください。急用でなければ、後回しにしても良いのではないでしょうか。
私はよく、子供たちに、こう言います。
「聞いてもらえそうなときに、話しなさい。」
これは、私自信も常に心に置いていることです。
聞いてほしいからすぐに伝えるのではなく、聞いてほしいからこそ、相手が耳を傾けてくれるかどうかを考えるのです。
そうすることで、「返事をしない!!」とイライラすることも、減るのではないでしょうか。
それは、相手が大人であろうと子供であろうと同じ。いえ、子供の方が、聞き入れる体勢を整えるのに、時間がかかるかもしれません。
話すペースに違いはない?
「返事をして!」「無視しないで!」実は、私が夫によく言われることでもあります。
夫は、とても早口。話すペースも早く、まるで関西人のようです。関西出身の友人がいますが、対等に話せるほど、間髪入れずに会話をします。
一方で私は?と言えば、昔から「のんびりしている。」「話すペースが穏やか。」と言われるほど、遅いのです。
決して、夫の話を無視しているのではありません。返事をしないのでもありません。
返事をするまでの『間』に、差があるのです。
子供との会話でも、同じことを感じます。
長女は、夫と同じくとてもペースが速いため、私との会話では、「返事が遅い!」と感じることがあるようです。
次女は私と同じくらい、ゆったりとしたペースで話すので、私との会話で問題が生じることはありません。
このように、質問から返事までの間に生じる時間には、個人差があることを知ってほしいと思います。
もし、親が子供に対して、聞く体勢が整っている状態で話かけているのにも関わらず、「返事が遅い!」「返事をしない!」と感じることがあれば、ペースの違いが問題であるのかもしれません。
近くに行って『聞いてもらう』!
子供に何かを伝えようと思うとき、離れたところから、手を動かしながら名前を呼ぶことはないでしょうか。
子供の立場で考えてみると、呼ばれたから“行かなくちゃいけない”のは、正直、面倒ではありませんか?
呼びかけても返事がない、だから何度も呼ぶうちに、声は大きくなります。
「もう!なに?聞こえてるけど!」と言われ、「だったら返事くらいしてよ…」と言うやりとり。
これは、会話から逃げ、意図的に返事をしない、完全に無視をしている状態です。
そうなる前に、用事があれば、子供の目の前に行きましょう。
向き合って、目を合わせ、そこで名前を呼べば、たいていの場合、返事をしてくれます。
また、親が毎回そのような姿勢でいれば、逆の立場になったときの子供も、同じ様に、近くまで来て呼びかけてくれるようになります。
我が家の生活の中では、私が洗濯機をしている場面でよくあります。
遠くから話しかけられても、洗濯機の音でハッキリと聞こえない子供の声。私はすぐに返事をしません。
そのため子供たちは、急ぐ用事があれば、立ち上がって私のところへ来ます。
私が偉そうにしているように感じるかもしれませんが、逆の立場でも同じです。子供に聞いてほしいことがあれば、近くに行って話しかける。
遠くから叫ぶように呼ぶことは、できるだけしないように、と心がけています。
都合によって返事をしないことも…
子供は、よく考えています。
何を言われるかを察知して、意図的に返事をしないことがあります。
現在6年生の娘の場合、成長するに従い、だんだんとその傾向が多く見られるようになってきました。
「お風呂に入っていいよ~」と言っても、返事をせずにテレビを見始めたり、「ちょっと手伝ってくれない?」と言えば、ちらっと見て返事をしなかったり…。
自分に都合が悪ければ、返事をしないことがあります
私は、これを反抗期の一種だと捉え、それ以上、言わないようにしています。
言わなくても、自分のペースでお風呂にも入りますし、入れなくて私に文句を言うこともありません。
「ちょっと待って。」「このテレビが終わったら入るから。」
それくらいは、言ってくれたら良いのにな…と思うこともあります。
しかし、そこを強制すると、「うるさいなぁ。」「しつこいなぁ。」と、イライラの原因を作ってしまいそうな気がします。
伝えるべきことは伝えますが、成長に応じては、しつこく言う必要のないこともある、
そう考えています。
些細なことで反抗され、お互いに機嫌の悪い時間を過ごすよりも、多少の返事がないその場は見逃し、後で楽しい時間を過ごす方が、ずっと良い場合もあると考えています。
外ではどう!?
子供が人に対して返事をするかどうか、それは、家庭内だけのことに収まりません。
学校や習い事で先生に対する返事。祖父母に対する返事。気になりますよね。
相手が親であれば、甘えや反抗心から、返事をしないことがあるかもしれません。しかし、外でもそのような態度であれば、相手を不快にし、良好な人間関係を築くことができません。
また、たとえ返事をしたとしても、「はい!」ではなく、「はぁ。」「まぁ…。」という返事は、決して快いものではありません。
家庭外で、誰に対してもきちんとした返事をする、これは、幼少期からのしつけと、周囲の大人たちによるしつけの両方が関わって来る、私はそう考えています。
子供が幼い頃は、外へ出たときに、まずは親が手本となり、きちんと返事をすることが大切です。
病院や銀行で、名前を呼ばれて返事をしますか?スーパーのレジで、「○○円です。」と言われて、「ハイ」と返事をする大人が、どれだけいるでしょう。
そのような場面を、子供はよく見ています。そして子供は、場所や相手に関係なく、「返事をしないママ。返事をしなくても良いんだ。」と学んでしまいます。
子供に対しても、「返事をしてね。」と促したり、返事をすることの大切さを伝え続けなければ、癖として身に付かないのではないでしょうか。
引っ込み思案、恥ずかしがりやの子供であれば、家ではできるのに外ではできないこともあるでしょう。
そんなときは、強く叱って萎縮させることなく、優しく穏やかに、根気よく教えていく必要があると思います。
また、保育園や学校の先生、友達のママ、祖父母など、親以外の人であっても、「お返事は?」「聞こえてる?」など、その都度、指摘してもらうことは必要です。
しつけは親の責任だと言われますが、子育ては社会全体が関わってこそ、健やかな子供が育つのではないでしょうか。
そのためにも、普段から、ママ友とはお互いの子供に対して遠慮なく接する関係を築くよう話し合ったり、祖父母には親が考えるしつけについて相談することも、心がけて行けると良いですね。
返事は大切なコミュニケーション
返事は、相手とのコミュニケーションに必要不可欠な言葉です。
相手から言葉を投げかけられたとき、その言葉を受け取ったよ!という合図です。
先に、病院や銀行等での例を挙げましたが、実は、普段から返事が習慣付いていない大人が、とても多いのです。
返事のできない親が、子供に返事をしつけることはできません。
子供に、返事の大切さを教えようと思うのであれば、まずは、自分自信の返事の仕方を、もう一度見直してみる、それが『返事』というしつけの、第一歩かもしれません。
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